• 五感市実行委員会

    佐々木優弥、三品綾一郎、松本数馬

    broken image

    左から秀衡塗「翁知屋」4代目 佐々木優弥さん、「岩谷堂タンス製作所」13代目 三品綾一郎さん、「世界遺産平泉・一関DMO」代表理事 松本数馬さん。

    broken image

    『五感市』が開催された3日間は各企業でワークショップやツアーなど多彩なメニューを展開。

    broken image

    『五感市』の前身となる「平泉五感市」を主催したいわて県南伝統工芸協議会では会長もつとめていた佐々木さん。もともとは国の伝統的工芸品である秀衡塗、岩谷堂箪笥、南部鉄器と3つの工芸関係者のみで構成されていた協議会を再編し、県南地域で手工芸を手がける企業も加えてリスタート。『五感市』実現の大きな足掛かりを作った。

    broken image

    箪笥作りの端材を使い、アクセサリーなどの小物に現代的な意匠を落とし込んだ岩谷堂タンス製作所の「iwayado craft」。

  • 職人が元気になれば人も集まる

     地域の特色あるものづくりを参加者が体感できるオープンファクトリーが全国各地で行われている中、東北でも平成30年11月、一関市、平泉町、奥州市の企業26社が参加する『五感市』が開催され、たくさんの人と〝コト〟が交流する場が生まれた。
     

     松本(世界遺産平泉・一関DMO)ー今、観光のトレンドはインバウンドを中心に団体旅行から個人旅行へ、求めるものもモノからコトへと変わってきています。中尊寺をはじめ年間200万人以上が集まる観光基盤がこの場所にはあります。だからこそ、伝統工芸や地域ならではのものづくりを見て体験できる環境が整えば、滞在時間はグンと延び、伝統工芸など地域の観光資源が多彩だと感じてもらえる。そういう点でもチャンスと可能性を秘めている土地だと思います。
     三品(岩谷堂タンス製作所)ー『五感市』はもともと秀衡塗・翁知屋で開催していた『平泉五感市』が前身。秀衡塗や岩谷堂箪笥、太鼓などの6種の伝統工芸が集まり、お客さんは職人に習ってオリジナルアイテムを作れるという体験型イベントを3年続けました。その中で、参加企業から自分の工場に来てもらったら、もっとおもしろい体験ができると思うという声が上がってきました。それと同時に、お客さんからも今度は工場に行ってみたい、という声が聞かれるようになってきたんです。時代とともに地域と伝統工芸に求められているものの変化を感じました。
     佐々木(秀衡塗・翁知屋)ー他の地域のオープンファクトリーとは比べ物にならない広いエリアを使っての開催でしたが、3日間の参加延べ人数は2000人、約2000万円くらいの経済効果があったと試算しました。今後は既存の観光とどうマッチングさせて広げていくかがポイント。色んな仕掛けを作りながら次回は来場者1万人、経済効果1億円を目指しています。
    三品ーイベントをやってよかったなと強く感じたのは、普段は工房にこもりきりの職人が、お客さんと直接交わったことで〝自分の仕事は魅力的だ〟と誇りを持つようになり、よりいいものを作りたいと前向きになったこと。工場をみて、職人が関わりたくさんの工程を経て作られている箪笥づくりのことを知ったお客さんが〝この手間でこの値段は納得!〟と実際購入につながったこと。受け入れる側にも良い効果があったと感じられます。
     

     お客さんがイベントに参加し、体感してもらい、プラスαの波及効果が表れることで職人はもっと元気になる。職人が元気になれば自然と地域に人も集って経済が元気になる。そんなイベントに成長していく可能性を秘めた『五感市』。地域を元気にしている要素がここにあった。

  • イベント期間中のお問い合わせ

     

    一般社団法人世界遺産平泉・一関DMO
    地域活性化拠点<一BA(いちば)>